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居場所になってくれるロボットを共に創りたい

月額支援型 academist Prize 3rd 採択

大道麻由

大阪大学、学部4年

挑戦期間

2023/09/05 - 2024/08/30

最終活動報告

2024/03/27 17:50:17

活動報告

12回

サポーター

18人

経過時間

2023/09/05 10:00:00

挑戦者の自己紹介

大道麻由

はじめまして! 大阪大学基礎工学部4回生の大道麻由(おおみちまゆ)と申します。私は小さいころから人間の感情の生起や思考回路について興味を持っていました、そして成長するにつれ、人間が感情を見出すのは人間や犬、猫などの動物だけではないということを学び、そこでロボットと出会いました。ロボットは一般的には魂がなく、背景には誰かの意図があるというイメージを持つことが多いですが、実際ロボットと会話をしてみると、まるでそのロボットに魂が宿っているかのように感じることがあります。この不思議な現象に魅入られ、現在はロボットと共に研究しようと日々奮闘しています!

あなたが研究を通して成し遂げたいことはなんですか?

私は「居場所」をテーマに研究しています。ここでの「居場所」とは物理的な空間だけでなく、帰属感や安心感を得られるもの全般を指します。しかし、誰もが自分の居場所を持っているわけではないのが現状です。そこで私は、人間の新たな居場所を創り出すためにロボットを活用したいと考えています。

近年は人間とコミュニケーションが可能なロボットが開発され、ロボットと人間の距離は徐々に縮まってきています。私は、人間とロボットがより深い関係性を結ぶことで、ロボットも人間にとっての居場所になれるのではないかと考えています。このような深い関係性を実現するためにはロボット自身が人間とは異なる独自の世界(周囲との関係性)を持ち、お互いにそれぞれの世界を尊重しあう、というこれまでのロボットとの関係には無かった要素が必要だと思っています。これらの考えをもとに研究を通してロボットを通じた新たな居場所の創出を成し遂げたいです。

どのようなプロセスで実現しようとしていますか?

居場所に必要な要素として、「自分自身の世界」をロボットに実装しようとしています。なぜなら、人間との依存的な関係を必要とするロボットは、人間の存在が関係性の前提になっており、義務感を感じてしまうリスクがある一方、良い居場所というのは、そこに存在することに労力を要しない場所であるべきだと私は考えているからです。現在、独自の世界を有し、それを魅力的に表現することができるロボットはほとんど存在しません。そこで私は自由度が高い仮想空間を用いることで、ロボットに「自分の世界」を付与することを考えています。

具体的にはロボットの見た目を模したアバターを作成し、そのアバターがゲームの世界で動き回るというものです。しかし、手作業でゲームの設定やシナリオを作成すると、数に限界が生じてしまい、ユーザーは「これ前にもみたな」「パターン化されているな」とメタ的思考を持ったり、飽きてしまう可能性があります。そこで今回、AI×ロボティクスというテーマにおいて、ChatGPTなどの生成AIを用いてゲーム世界の背景設定やシナリオを自動で生成することで「飽きないロボット」を生み出すことができないかと考えました。

現在取り組んでいる研究課題はなんですか?

現在はこの理想に先駆けて、「人を励ますロボット」の研究をしています。直接的な応援の声かけではなく、ロボットが目的に向かって頑張る姿を見せることで人間の頑張る姿勢を高めることができるのではないかという仮説を検証しています。この研究ではすでにロボットの世界を仮想空間上に拡張し、表現力豊かな環境下でロボットが頑張る姿勢を提示しています。

この研究課題に取り組む理由は、「居場所になってくれるロボット」にはそのロボットと一緒にいると励まされる、という要素が必要だと思っているからです。「居場所」というと思い浮かべるのは「安心感を与えてくれる」イメージですが、それだけだと豊かな生活とは言えません。何か新しいことに挑戦したくなる、やるべきことに対して頑張る姿勢を高める......そんなロボットこそが「居場所になってくれるロボット」だと思います。だからこそ、人がどんな時に励まされるのかを研究することが居場所の創出への第一歩だと思っています。

なぜacademistに挑戦していますか?

「居場所」という抽象的なものをテーマとしているため、ロボット工学だけではゴールに到達できません。同じ挑戦者の方やサポーターの方と交流し、幅広い分野の方々と「居場所とは何か」「居場所になってくれるロボットには何が必要か」を議論したいという気持ちからacademistに挑戦しています。

私はこの4月から研究室に配属されたばかりで知識が浅いため、研究についてやデータの解析方法、他分野のこともこれから勉強していきたいです。また、実験では音声解析や身体行動の計測なども行っていきたいと考えているため、いただいた支援金は主に実験用品や書籍の購入に使わせていただく予定です。

活動報告では、私が考える「居場所」についての考察、皆様からいただいたご意見へのリアクション、研究活動の報告や使用しているロボットの紹介等をしていきます。もしご興味ありましたら支援していただけると嬉しいです!

推薦者コメント

高橋英之
株式会社国際電気通信基礎技術研究所/大阪大学基礎工学研究科 特任講師

近年の急速なAIの発達が我々の生活に大きな変化をもたらす一方、その変化に孤独や不安を感じている人も増えているように思います。単に便利さや効率を追求するテクノロジーだけではなく、我々の心に寄り添い、自分自身を見失わない為の灯台となるようなテクノロジーが必要になると思われます。大道さんの思い描く「居場所」になってくれるロボットというのは、まさに心に寄り添うテクノロジーの先駆けとなる研究であり、彼女の野心的な挑戦を心から応援したいと思います。

鈴木啓介
北海道大学 人間知・脳・AI研究教育センター 特任講師

AI技術の急速な発展によりロボットを始めとする人工エージェントが私たちの生活の中に入ってくるなかで、人間とロボットの間にどのような関係が結べるかは個人の関心のみならず社会の関心も集める重要な問題です。この問題に対して、人とロボットの2者間の問題とせず、人にとっての「居場所」に注目する大道さんの視点はとても独創的です。挑戦者のさらなる高みを目指す研究活動を応援します!

石津智大
関西大学文学部心理学専修 教授/広島大学脳・こころ・感性科学研究センター 客員教授

大道さんは「居場所」の新しい在り方を提案しています。「居場所」はアイデンティティの形成や安心感の源であると同時に、社会的な関係の構築や成長の基盤としてわたしたちにとって大切なものです。しかし、誰もがいつも安定した居場所をもてるわけではありません。大道さんは、そんな現状をロボットを活用することで変え、その人に沿った居場所を作ろうとしています。これからの個人と社会のしあわせに貢献する研究になると期待しています。

吉村優子
金沢大学人間社会研究域学校教育系 准教授/子どものこころの発達研究センター 兼任准教授

社会情勢や環境が目まぐるしく変化する昨今、安心して自分らしく過ごせる多くの居場所を持つことは重要な課題です。ロボットに自分の世界をもたせることで人の心に寄り添う「居場所」を創り出そうとする大道さんのアプローチは独創的で、持続的な支援や関係づくりにおいて大きな可能性があると思います。また、ロボットと人との関係性において新しい価値観を生み出すことも期待されます。人もロボットも「自分らしく」いられる空間づくりを目指す彼女の挑戦を応援します!

研究計画

時期 計画
2023年9月 月額支援型クラウドファンディング開始
2023年9月 人を励ますロボットの実験開始
2023年10月 生成AIを用いたシステム構築に着手
2023年11月 人を励ますロボット実験終了・結果の分析
2023年12月 論文執筆
2024年1月 生成AIを用いたシステムに関する実験開始
2024年3月 情報処理学会第86回大会で発表
2024年5月 生成AIを用いたシステムに関する実験終了・結果の分析
2024年8月 月額支援型クラウドファンディング終了

リターンの説明

330 円/月 (税込)

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11人が支援しています。

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3,300 円/月 (税込)

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