目標金額を達成いたしました!ご支援くださった皆様、宣伝等ご協力くださった皆様、誠にありがとうございました。
今回のチャレンジを通じて、自身の研究に関して多くの方から様々なコメントをいただき、本当に励みになりました。
目標金額は達成しましたが、このプロジェクトのゴールは、電極構造に関する研究成果を得ることです。皆様から頂いた研究資金を大切に活用させていただき、成果をご報告できるよう頑張ります。
今後とも応援の程よろしくお願いいたします。
日本は石油・天然ガスなどの化石燃料資源が乏しい国です。日本では消費される化石燃料資源のおよそ90%を海外から船舶を用いて輸入しており、エネルギー自給率は総じて低い状況が続いています。また世界的にみると、化石燃料は枯渇の恐れがあるうえ、その使用に伴って温室効果ガスやNOx, SOxなどの有害物質を排出するため、環境への影響が問題となっています。これらの問題を解決するためには、そもそも化石燃料に頼らないクリーンな発電や、発電で得られたエネルギーを有効活用するための新たなエネルギー媒体の導入が必要不可欠です。
地球には海が広がっています。特に日本は、海に囲まれています。新たなエネルギー源の開発に、四方を海に囲まれた島国日本の特性を活かすことができるのではないか、と考え私たちが着目したのが、「海洋再生可能エネルギー」です。海洋再生可能エネルギーとは、洋上風力、海流、波力、洋上太陽光などの海洋で得られる永続的に利用可能なエネルギーのことです。
海洋再生可能エネルギーを利用すれば、環境負荷が極めて低いクリーンな発電が可能です。しかしながら、海洋再生可能エネルギーは天候などの自然条件に左右されることもあり、電力を安定的に確保するには発電で得られた電気エネルギー(電力)を貯蔵しておく必要があります。また、海の上で得られたエネルギーを陸上のさまざまな場所へ輸送・供給することも必要になります。
海洋再生可能エネルギーではエネルギーの貯蔵に「水素」を活用します。水素は水(海水)の電気分解反応によって生成します。そのため、海洋再生可能エネルギーを利用して発電した電力を用いて海水の電気分解反応を起こせば、発電からエネルギー媒体(水素)の貯蔵までの一連のシステムを、洋上で効率よく行うことが可能となります。
また、水素は燃料電池のエネルギー源として利用したり、燃焼させて熱エネルギーとして利用したりすることができます。その際に水しか出ないので、環境負荷が極めて低いという利点があります。これは水素が究極のクリーンなエネルギー媒体として注目されている理由のひとつです。
高校の実験などでもおなじみなように、水の電気分解反応では、水素と酸素が生成します。しかし、海水の場合は塩化ナトリウムなどの塩分も含まれているため、副生成物として塩素などの有害物質も生成してしまいます。そのため、海水の電気分解反応を用いた水素製造システムを実用化するためには、有害物質の生成を抑制して水素・酸素を高効率に生成する電極の開発が必要です。これまでの研究で、塩素の生成を抑制する材料についていくつか報告されていますが、耐久性やコストの面などから未だ実用化には至っていません。
電極開発においては、電極に使用する材料だけでなく、電極表面構造の検討も重要です。電気分解反応は電極と電解質溶液(海水)が接する面、すなわち電極表面で進行するからです。同一の材料からなる電極であっても、電極表面の原子配列や原子間距離などの違いによって電気分解反応の特性は大きく異なることが知られています。
そのため、電極表面の電気分解反応がどのように進行するかを解明し、反応の効率化に向けた電極開発を進めていくには、原子レベルの表面構造解析および表面構造規制が重要であると考えています。また、電極反応では、見かけ上は反応種でない溶媒やイオンなどが反応に関与していることがあるため、実際の反応が起こっている条件(溶液中)で構造解析を行う必要があります。
溶液中での原子レベルの構造解析には、高い輝度とエネルギーをもった放射光X線をプローブとして用いることが有効です。しかし、この実験を行うためには、特殊な電気化学セルを設計・作製しなければなりません。また、実験を行うために放射光施設へ出張する必要があります。そこで今回、放射光X線を利用した電極表面の構造解析実験のための費用を皆さまにご支援いただきたく、クラウドファンディングへのチャレンジを決めました。
今回のプロジェクトでは、電極表面構造に焦点を当てて研究を行い、海水の電気分解用電極の開発指針を得ることを目指します。日本=エネルギー貧国、再生可能エネルギー後進国という現状から脱却できるよう、研究を進めていきます。ご支援のほど、よろしくお願いいたします。
時期 | 計画 |
---|---|
2018年8月 | クラウドファンディング挑戦 |
2018年9月 | 構造評価実験の準備開始 |
2019年9月 | 電気化学会の秋季大会にて発表(予定) |
2019年10月 | 論文執筆、投稿(予定) |
研究の詳細な進捗などをレポートにまとめてお送りいたします。
研究報告レポート(PDF版)
17人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
2019年の電気化学会秋季大会にて本研究に関する発表をする際、謝辞にお名前を掲載させていただきます。また、発表資料(電子版)を送付いたします。 ※2019年の電気化学会秋季大会での発表が叶わなかった場合、その後の学会発表で謝辞にお名前を掲載いたします。
学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / 研究報告レポート(PDF版)
14人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
サイエンスカフェにご招待いたします。日程は2019年2月16日(土)@神戸大学深江キャンパス、2月23日(土)@東京都内の全2回を予定しています。当日はこれまでの研究内容等についてお話させていただきますので、ご参加をお待ちしています! ※当日ご参加いただけない場合には、後日資料を共有させていただきます。
サイエンスカフェ参加権 / 学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / 研究報告レポート(PDF版)
18人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
本研究成果を発表する際の謝辞にお名前を掲載させていただきます。 ※研究成果をまとめられるよう努力いたしますが、論文の掲載に至らない可能性もございますこと、ご承知おきいただけますと幸いです。
論文謝辞にお名前掲載 / サイエンスカフェ参加権 / 学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / 研究報告レポート(PDF版)
4人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
私が普段研究を進めている研究室をご案内いたします。日程は2019年2月16日(土)を予定しています。場所は神戸大学深江キャンパスです。サイエンスカフェの後の時間帯で開催予定です。ぜひお越しください!
研究室見学ツアー / 論文謝辞にお名前掲載 / サイエンスカフェ参加権 / 学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / 研究報告レポート(PDF版)
2人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
当サイトは SSL 暗号化通信に対応しております。入力した情報は安全に送信されます。
研究報告レポート(PDF版)
17
人
が支援しています。
(数量制限なし)
学会発表資料の謝辞にお名前掲載 他
14
人
が支援しています。
(数量制限なし)
サイエンスカフェ参加権 他
18
人
が支援しています。
(数量制限なし)
論文謝辞にお名前掲載 他
4
人
が支援しています。
(数量制限なし)
研究室見学ツアー 他
2
人
が支援しています。
(数量制限なし)