本プロジェクトは見事に達成されました。ひとえに本プロジェクトをご理解頂きご支援頂きました80数名の皆様、本プロジェクトに興味を持っていただき、周りにお知らせ下さった皆々様のおかげです。この場をお借りして厚く厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。これから速やかにIPAカードの制作および監修作業に入ります。作業の経過は進捗ブログにてお知らせする予定ですので、引き続き見守って頂けましたら幸いです。また、今回制作するIPAカードセットは金額規模的に今後再版が厳しいことが予想されます。手に入れたい方は〆切までにエントリーをよろしくお願いいたします。この度は皆様のご支援、誠にありがとうございました。
「濁点がついている音は強そう、サ行の音はさわやかな感じ」といった、音声そのものが何らかのイメージを伴う現象のことを、音象徴といいます。言われてみれば当たり前に思えるかもしれませんが、この現象が個別言語を問わず普遍的にみられるのかどうかは、未だ明らかにされていません。私は、子音を題材としてこの問題に取り組むため、日本語話者とそれ以外の言語の話者を比較しようと考えましたが、それまで実験で使用してきた日本語の「ぱ」や「ば」などの音声は、別の個別言語では存在しない可能性に行き当たりました。
さまざまな言語の音声を比べるためには、「それをどのように発音するのか」を示す統一された基準がなくてはなりません。文字も、音声と一定のつながりがありますが、言語が違えば文字の形や種類は千差万別となってしまい、比べることが難しくなってきます。また、音声はその場限りの、「消えて無くなってしまうもの」です。最近は音声が手軽に録音できるようになりましたが、それでもその言語を話せる人がいなくなってしまえば、どのように発音するのかを知るすべは失われてしまうのです。
その言語がどのように発音されるのか、を示す統一された基準としてあるのが「国際音声記号(IPA:International Phonetic Alphabet)」です。IPAの一つひとつが、「音声を発音するときに口のここをこのように動かすと発される音声」と定義されています。このように、「発音の仕方」を元に言語の音声を記述してゆくことで、消えてゆく音声を文字として残し、後に復元して発音することができます。また、異なる言語の音声も、IPAを使えば同じ基準で記述することができ、比べることができるようになるのです。
IPAは言語学、特に音声を扱う分野や、方言・外国語の比較を扱う分野では非常に重要であり、今もなおよりよい基準を目指してマイナーチェンジが続いています。 私は自分の研究の途中でこのIPAに出会い、魅せられています。まだ勉強中の身ではありますが、「あらゆる言語の音声を記述し、残すことができる」というその機能はもとより、「ヒトが発することのできる音声の多様さ」にわくわくするのです。普通だったらこの中のいくつかは発音しないまま一生を終えるのかもしれない、そんなヘンテコな音声を、意味の違いを持たせるための重要な音声として使っている言語があると考えると、言語の多様性が想像をはるかに超えたものであるという、ロマンを感じるのです。今現在の目標は、これらのIPAと音声、またこれらの音声の発音までできるようになることです。そのために何かいい教材は作れないかと考えた結果、カードを作ることにしました。
このIPAカードを通して、音声学という学問分野を盛り上げていくことにもつながればと考えています。音声学は、言語学の三本の柱のうちのひとつと言える歴史ある分野です。そのため、言語学を学ぶ方々にとっては教養として音声学の基礎であるIPAを学びますが、音声の微細な聞き分けや、難易度の高い発音などから、あまり人気があるとは言えないと感じています。
そんな方々には、IPAに取っつきやすくなっていただけたらと考えています。 また、まだ言語学を知らない方には、「音声学という学問分野の入口」としてIPAカードに触れていただけたらと思っています。中学生や高校生で英語にふれて、「外国語の発音は難しいな」と感じる方は多いかと思います。そこから一歩踏み込んで、IPAにふれて、さまざまな音声が世界にあふれていることを知れば、今後学びたいこととして音声学の存在にたどり着きやすくなるかもしれません。IPAカードが、後々音声学の活性化に繋がることを願っています。
IPAカードは全部で108枚あり、数枚のプロトタイプをすでに発行しています。もともとIPAカード自体も自費で印刷しようと思っており、そのつもりで企画を進めておりましたが、改めてカード印刷の見積を取ったところ、個人で支出するにはやや厳しい金額でした。
そこで今回クラウドファンディングで、カードの印刷費と、カードをよりよい作品にするための費用(専門家による監修への謝金)をお願いしようと考えています。IPAカードで遊んでみたい方、音声学や言語学の活性化に賛同していただける方など、多くの方々のご助力を心よりお待ちしております。
時期 | 計画 |
---|---|
2017年10月〜11月 | クラウドファンディング挑戦 |
2017年11月中 | IPAカード編集作業 |
2017年12月 | IPAカード印刷 |
2018年1月 | IPAカード発送 |
2018年2月 | 「IPAカードで遊ぼうの会」開催 |
現在使用されている最新版IPAチャートをあしらったクリアファイルです。いつでもIPAを見て、覚えることができます。
IPAクリアファイル
6人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
今回の主目的であるIPAカードセット(全108枚)をセットにしてお届けします。カードセットには使用説明書も付いてきます。
※画像はプロトタイプ状態のものとなります。制作の際はよりよい作品とするため、デザインなどを改良する可能性があります。
IPAカードセット / IPAクリアファイル
90人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
今回作成したIPAカードセットは、一人で楽しむのももちろん可能ですが、音声に興味のある皆さんで集まってカードゲームをしてみませんか?音声学を専門とする講師(川原繁人先生・慶應義塾大学)をお呼びして、遊びながら学べる時間にしたいと考えております。 さらに、お越し頂いた方にはお土産としてIPAがラベルにデザインされた、オリジナルIPAビール(瓶入り)を差し上げます。
「IPAカードで遊ぼうの会」の参加チケット / IPAビール / IPAカードセット / IPAクリアファイル
11人のサポーターが支援しています (限定 15 個)
IPAカードで遊んだ後は、少し真面目なお話もしましょう。川原先生の音声学にまつわるお話や、チャレンジャーの研究話(音象徴ってなんだろう?)、IPAカードをどんなことに使えるか、などさまざまな議論を行う予定です。ディスカッションチケットは、「遊ぼう会」後の少人数スペシャルセッションにご参加頂けるチケットです。さらに、こちらにご参加頂くと、お名前をIPA表記したオリジナルデザインのスタンプ(浸透印)を進呈いたします。
ディスカッションチケット / オーダーメイドIPAお名前スタンプ / 「IPAカードで遊ぼうの会」の参加チケット / IPAビール2本 / IPAカードセット / IPAクリアファイル
2人のサポーターが支援しています (限定 5 個)
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IPAクリアファイル
6
人
が支援しています。
(数量制限なし)
IPAカードセット 他
90
人
が支援しています。
(数量制限なし)
「IPAカードで遊ぼうの会」の参加チケット 他
11
人
が支援しています。
(限定 15 個)
ディスカッションチケット 他
2
人
が支援しています。
(限定 5 個)