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系統樹マンダラでワニの進化研究の全貌を明らかにする!

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SUCCESS
福田雄介、飯島正也、小田隆、畠山泰英
オーストラリア国立大学、-/クレムソン大学、-/京都精華大学、教授/キウイラボ、代表
支援総額: 2,561,688 円
目標金額: 2,000,000 円
達成率
128 %
サポーター
238
残り時間
終了
募集期間は終了しました
academist スタッフからの一言
「生きた化石」ワニ研究の最新の知見をビジュアル化

阿部 麻衣子

【カメ編】【サメ編】で大好評だった巨大ポスター「系統樹マンダラ」シリーズの新作、【ワニ編】の制作がスタートします。ワニは古代から姿形を変えない「生きた化石」と呼ばれ、現在は25種が生息しています。ワニの形態が多様化したのは2億5000万年も前のことで、その研究にはさまざまな課題が残されています。今回の「系統樹マンダラ【ワニ編】」では、最新の知見を整理しワニ研究の全貌を明らかにするとともに、多くの方がワニの魅力に興味を持ってくれることを目指します!

古代から姿形を変えない「生きた化石」といわれるワニ

ワニというと「怖い」「人食い」「噛まれる」などを連想する人が多いかもしれませんが、ワニ自体はとても魅力的な動物です。卵から生まれたばかりのワニは、長さ30センチ足らずで体重は100グラムにも満たない程度の、まるでオモチャのようなかわいさです。それが大型種のオスの場合は全長約17倍の5メートル超、体重は約5000倍の500キロ以上にまで成長します。かつての子ワニが、神話に出てくる龍やおとぎ話のドラゴン、はたまた太古にいた恐竜のような迫力にまでなるのです。

実際、ワニは恐竜に最も近縁な現生動物であり、世界の熱帯・亜熱帯地域に25種が生息しています。ワニは古代から姿形を変えない「生きた化石」と呼ばれており、三畳紀のはじめ(2億5000万年前)に恐竜の系統と分岐して以降、驚くべき多様化を遂げました。初期の鰐類(がくるい)は現在の哺乳類や鳥類と同じく内温動物であったことや、鯨類のように高度に海棲適応したり陸上に進出して植物食になったりしたワニがいたこともわかっています。三畳紀には、恐竜よりもワニの系統が形態多様化していたとの研究結果もあります。現在見られるワニは、長い進化史のほんの一部分を映しているに過ぎないのです。

世界中の研究者でワニの系統樹の復元に挑む

南北アメリカやヨーロッパ、オーストラリアではワニ研究が盛んで、分類に限らず、比較形態、生理、バイオメカニクス、生態の研究が行われています。国内でも、恐竜の研究者が、ワニを利用した研究を展開しています。

とりわけ、多くのワニは水辺に生息していることから化石として残りやすく、化石研究が盛んにおこなわれています。日本からも、350万年以降の新しい地層からマチカネワニやヨウスコウアリゲーターの化石が産出するほか、北海道、福井県、山口県の恐竜時代の地層からも、海棲ワニなどが見つかっています。研究者は、現生、化石ワニから得られる分子、形態データを総動員して、ワニの系統樹を復元しようとしています。系統樹は、現生種保全の拠り所となるだけでなく、あらゆる進化学的研究に不可欠であることから、世界中の研究者が議論を重ねてきました。

しかしながら、未解決の課題はたくさん残されています。たとえばインドガビアルを含むガビアル科の系統位置は、1980年代以降分子と形態の研究者の間で議論が続いていますし、海棲ワニのタラットスクス類の系統位置も、2015年に革新的な解析結果が発表されて以降、様変わりしました。現生種についても近年、種の見直しが進められ、これまで手付かずだったイリエワニの亜種の分類・整理の進展も期待されています。

系統樹マンダラで最先端の知見を整理し、ワニ研究に貢献したい!

ワニ研究の現状を整理しその全貌を明らかにするために、今回私たちは「系統樹マンダラ【ワニ編】」を作成します。

「系統樹マンダラ」は、進化の系統樹の法則に従い動物を配置したもので、ひとつの共通祖先から現在の地球上に生きる多様な生きものへの進化のつながりを1枚のポスターで表現しています。今回制作する【ワニ編】では、最新の知見に基づいて系統樹を作成し、分岐年代も化石を用いて正確に求めます。

研究成果を整理してビジュアル化することで課題を可視化し、研究の種が生まれることが期待されます。実際これまでの系統樹マンダラでは、多くの研究者から「研究のインスピレーションが湧く」「現状わかっていないことが浮き彫りになる」「学生が興味を持つきっかけになる」といった声をいただきました。

また一般では日本にワニがいないことから、外国にいる危険生物といった認識で身近に感じにくい動物なのかもしれません。しかし、地質時代では最近ともいえる数十万年前まで日本にもワニがいて、そのなかには10メートルを超える巨大なワニや、ワニの既定概念を覆すような奇妙な形をした種がいたことなどを知れば、関心を持たれる方も増えるのではないでしょうか。


このように「系統樹マンダラ」は、今後の研究の進展に貢献するだけでなく、多くの方々に興味を持ってもらう啓蒙の役割も目指しています。

制作費サポートのお願い

掲載する化石種の選定とワニ類全般に関する監修は、飯島正也(名古屋大学博物館・学振PD、クレムソン大学)、現生種の選定と解説は同じく福田雄介(オーストラリア国立大学、ノーザンテリトリー政府)が行います。いま生きている世界のワニ類とその進化を表現するため、2億5000万年前までさかのぼり、偽鰐類まで含めた化石種21種と現生種25種をあわせて46種選びます。

これらのイラストレーションは、古生物復元画家として活躍するとともに、大学で美術解剖学を教える画家の小田隆(京都精華大学教授)が精緻なペン画を描きます。

系統樹は、種々の文献を参照して採用した分岐年代について、系統樹マンダラ【軟骨魚類編】で主要メンバーを務めて以降、系統樹マンダラプロジェクトに深くかかわる工樂樹洋さん(国立遺伝学研究所教授)ならびに当シリーズ総監修の長谷川政美さん(統計数理研究所名誉教授)と検討後、インフォグラフィックスの専門家である坂野徹さん(金沢美術工芸大学准教授)に枝の長さが年代を表すように正確かつ美しく仕上げてもらいます。

全体のアートディレクションは、日本を代表するエディトリアルデザイナーの木村裕治さんに依頼して、研究室から家のリビングルームまで、さまざまな空間に飾っておきたくなるようなポスターを目指します。

全体の編集から発行までは、これまで「系統樹マンダラ」シリーズを制作した実績のある、畠山泰英さん(科学バー/キウイラボ代表)が担当します。

上記のとおり、これまで実績のあるメンバーが制作に携わることで、既刊の「系統樹マンダラ」シリーズと同品質の【ワニ編】ポスターの完成が見込まれます。「系統樹マンダラ」シリーズは、これまでに【真獣類編】【鳥類=恐竜編】【四足動物編】【霊長類編】【カメ編】【軟骨魚類編】が刊行されています。研究者をはじめ、学部生・院生、中・高の理科教員、生きものマニアなどコアな層からの評価が高く、日本進化学会の教育啓発賞(2020年)と、日本動物学会の動物学教育賞(2021年)を受賞しました。また、国立科学博物館や大阪自然史博物館など国内外で評価の高いミュージアムショップで常時取り扱われているものです。

今回のクラウドファンディングでは、【ワニ編】の制作費の一部をみなさまにご支援いただきたいと思っています。“アート&サイエンス“でどこまで美しいものを生み出せるか、という私たちのチャレンジへの応援をよろしくお願いいたします。

挑戦者の自己紹介

福田雄介、飯島正也、小田隆、畠山泰英

福田雄介(ふくだ ゆうすけ):イリエワニ専門の現生ワニ類研究者。オーストラリアのノーザンテリトリー政府でイリエワニとジョンストンワニの保護管理の研究をしている。野生に棲むワニの生態や個体群の調査が専門。人がワニに襲われることもあるため、人間社会と野生のワニのあつれきを防除するための活動にも従事している。国際自然保護連合(IUCN)ワニ専門家グループ(CSG)会員。著書に『もしも人食いワニに噛まれたら!』(青春出版社)がある。

飯島正也(いいじま まさや):クレムソン大学所属のワニ研究者。ワニに関することは何でも興味がある。現在は、アメリカのサウスカロライナ州でアメリカンアリゲーターの歩き方を研究している。幼体~成体の歩き方を比較し、体サイズと歩き方の関係性を見出し、古生物に応用しようとしている。

小田隆(おだ たかし):画家、イラストレーター、京都精華大学教授。博物館のグラフィック展示、図鑑の復元画、絵本など多数制作。幅広い古生物学者たちとの交流の中で、科学的資料に支えられるとともに、オリジナリティに富んだ作品群を生みだしつづけている。大学では美術解剖学を応用した人体の描写を研究、授業を担当。

畠山泰英(はたけやま やすふさ):編集者、イベントプロデューサー。「系統樹マンダラ」シリーズ既刊6編と本プロジェクトの企画編集を担当。同シリーズ総監修者である長谷川政美博士の著書『進化38億年の偶然と必然』(国書刊行会)をはじめ、『クマにあったらどうするか』(ちくま文庫)、『宇宙はどこまで行けるか』(中公新書)など自然科学書を多く手掛ける。2011年からお酒と料理付きのサイエンスカフェ「大人の科学バー」を東京・日本橋で主宰。

研究計画

時期 計画
2021年7〜9月 クラウドファンディングに挑戦
2021年11月 リターンの発送

リターンの説明

リターンの金額に加え、追加支援をすることができます。追加支援分には消費税がかかりません。
1,100 円 (税込)
注目のリターン : ワニの細密画(PDF)

小田隆が描いた生き物の細密画(PDF)をお送りします。パソコンやスマートフォンの壁紙としてお使いください。

リターン内容

ワニの細密画(PDF)

21人のサポーターが支援しています (数量制限なし)

5,500 円 (税込)
注目のリターン : 系統樹マンダラ【ワニ編】(サイン入り)

みなさんにご支援いただいた資金で作成した「系統樹マンダラ【ワニ編】」の折畳タイプ(A1サイズ)をお送りします。小田隆のサイン付きのクラウドファンディング・オリジナルバージョンです。表側には系統樹を、裏側には解説を記載する予定です。最先端の研究成果を含めたワニの系統樹を存分にお楽しみください! 福田雄介と飯島正也からのメッセージも同封いたします。

リターン内容

系統樹マンダラ【ワニ編】(サイン入り) / ワニの細密画

151人のサポーターが支援しています (数量制限なし)

11,000 円 (税込)
注目のリターン : ワニ研究紹介動画閲覧権

日本のワニ化石を中心に、ワニ研究について飯島正也が解説する動画を特別にご覧いただけます。

リターン内容

ワニ研究紹介動画閲覧権 / 系統樹マンダラ【ワニ編】(サイン入り) / ワニの細密画(PDF)

37人のサポーターが支援しています (数量制限なし)

22,000 円 (税込)
注目のリターン : 大ワニポスター(2枚セット)

現在小田隆が制作中の大ワニの絵と、そのモデルとなった福田雄介が撮影した写真のポスター(A3サイズ程度)をセットでお送りします。

リターン内容

大ワニポスター(2枚セット) / ワニ研究紹介動画閲覧権 / 系統樹マンダラ【ワニ編】(サイン入り) / ワニの細密画(PDF)

14人のサポーターが支援しています (数量制限なし)

33,000 円 (税込)
注目のリターン : オンライントークイベント参加権

制作メンバーが登壇する支援者限定対談オンラインイベントにご招待いたします。

リターン内容

オンライントークイベント参加権 / 大ワニポスター(2枚セット) / ワニ研究紹介動画閲覧権 / 系統樹マンダラ【ワニ編】(サイン入り) / ワニの細密画(PDF)

2人のサポーターが支援しています (数量制限なし)

55,000 円 (税込)
注目のリターン : ワニのラフスケッチ(2枚セット)

小田隆が系統樹マンダラ【ワニ編】のために描き下ろしたイラストレーションの貴重なラフスケッチ。手書きの文字、監修者とのやり取りで修正した跡などが残り、紙が少し汚れていたりしますが、すべてを含めて、制作のプロセスを感じられる貴重なもの。1枚に2体のワニが描かれています。どの種のラフスケッチが届くかはお楽しみ。

リターン内容

ワニのラフスケッチ(2枚セット) / 大ワニポスター(2枚セット) / オンライントークイベント参加権 / ワニ研究紹介動画閲覧権 / 系統樹マンダラ【ワニ編】(サイン入り) / ワニの細密画(PDF)

9人のサポーターが支援しています (限定 11 個)

110,000 円 (税込)
注目のリターン : CSGの発表ポスター・系統樹マンダラ【ワニ編】に謝辞掲載

ダーウィンで行われるワニ研究者の世界的なグループの大会でのポスター発表と、今回製作する系統樹マンダラ【ワニ編】の謝辞に、お名前を掲載いたします。
※このリターンにワニのラフスケッチ(2枚セット)は含まれません。

リターン内容

CSGの発表ポスター・系統樹マンダラ【ワニ編】に謝辞掲載 / 大ワニポスター(2枚セット) / オンライントークイベント参加権 / ワニ研究紹介動画閲覧権 / 系統樹マンダラ【ワニ編】(サイン入り) / ワニの細密画(PDF)

3人のサポーターが支援しています (数量制限なし)

165,000 円 (税込)
注目のリターン : 大ワニ原寸大横断幕(145×520cm)/「クロコディラスパーク」オンラインツアー


小田隆が描く5mを超える大イリエワニの原寸大横断幕です。ウロコのひとつひとつ、歯の一本一本まで精緻に描かれた大ワニを、ぜひ原寸大でご堪能ください。
また、ワニ研究の第一人者グラハム・ウェブ氏が経営するワニ園を福田雄介がオンラインで特別にご案内します。船からワニを見るツアーや資料館など、充実のツアーです。他にも、オンライン出張講演などご要望があればできる限りお答えします。
※このリターンにワニのラフスケッチ(2枚セット)は含まれません。

リターン内容

大ワニ原寸大横断幕(145×520cm) / 「クロコディラスパーク」オンラインツアー / CSGの発表ポスター・系統樹マンダラ【ワニ編】に謝辞掲載 / 大ワニポスター(2枚セット) / オンライントークイベント参加権 / ワニ研究紹介動画閲覧権 / 系統樹マンダラ【ワニ編】(サイン入り) / ワニの細密画(PDF)

1人のサポーターが支援しています (数量制限なし)

このプロジェクトは、 2021年07月28日(水) 10時00分 から 2021年09月23日(木) 17時00分 までの間に目標金額2,000,000円を達成した場合のみ、決済が確定します。
お支払について
お支払にはクレジットカード(VISA, Mastercard)、銀行振込、コンビニ決済、Pay-easy、PayPalをご利用頂けます。
追加支援について
リターンの金額に加え、追加支援をすることができます。追加支援分には消費税がかかりません。
セキュリティについて

当サイトは SSL 暗号化通信に対応しております。入力した情報は安全に送信されます。

1,100 円(税込)

ワニの細密画(PDF)

21 人 が支援しています。
(数量制限なし)

5,500 円(税込)

系統樹マンダラ【ワニ編】(サイン入り)

151 人 が支援しています。
(数量制限なし)

11,000 円(税込)

ワニ研究紹介動画閲覧権

37 人 が支援しています。
(数量制限なし)

22,000 円(税込)

大ワニポスター(2枚セット)

14 人 が支援しています。
(数量制限なし)

33,000 円(税込)

オンライントークイベント参加権

2 人 が支援しています。
(数量制限なし)

55,000 円(税込)

ワニのラフスケッチ(2枚セット)

9 人 が支援しています。
(限定 11 個)

110,000 円(税込)

CSGの発表ポスター・系統樹マンダラ【ワニ編】に謝辞掲載

3 人 が支援しています。
(数量制限なし)

165,000 円(税込)

大ワニ原寸大横断幕(145×520cm)/「クロコディラスパーク」オンラインツアー

1 人 が支援しています。
(数量制限なし)

注目のプロジェクト一覧
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