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結核の新たな治療法として「免疫療法」を確立したい!

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松﨑吾朗、高江洲義一
琉球大学熱帯生物圏研究センター・教授 / 准教授
支援総額: 379,001 円
目標金額: 750,000 円
達成率
50 %
サポーター
39
残り時間
42
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academist スタッフからの一言
結核菌が免疫応答を抑えて細胞に寄生する仕組みの解明を目指す

世界3大感染症のひとつである結核。その病原体となる結核菌は、免疫細胞のひとつであるマクロファージの殺菌作用を抑える病原因子を作り出し、免疫応答を抑制することによって細胞内に寄生します。松﨑さんと高江洲さんらの研究チームは、この結核菌の病原因子の働きをブロックする方法を検討することで、まったく新しいタイプの結核に対する免疫療法への応用を目指しています。結核は抗菌薬による適切な治療を行えば治る疾患ですが、抗菌薬への耐性を獲得した多剤耐性結核菌が世界の一部地域で増加していることが問題となっています。結核治療の進歩に大きく貢献する可能性がある今回のプロジェクトに、応援をよろしくお願いします!

Academist

academist編集部

マクロファージの殺菌作用を抑えて細胞内に寄生する、巧妙な結核菌の感染プロセス

結核は、今でも世界で年間130万人の死亡原因となっている重大な感染症であり、世界保健機関でも世界3大感染症のひとつとして重点的な対策を求めている疾患です。

結核の病原体は結核菌という細菌です。結核菌は、免疫系による認識と排除を逃れて、免疫細胞のひとつであるマクロファージという細胞の中に寄生し増殖することができます。通常の細菌はマクロファージに取り込まれると殺されて(殺菌されて)しまいますが、結核菌はマクロファージが殺菌作用を引き起こすのに必要な分子の機能を抑える病原因子を作り出すことができるため、マクロファージは十分な殺菌作用を発揮できず、結核菌の細胞内への寄生が成立します。

結核菌は細胞の中に寄生すると、体液中の抗菌分子による攻撃も受けることがなくなります。その結果、マクロファージが結核菌を守り増殖する場を提供することになってしまいます。これが、免疫系がなかなか結核菌を排除できない理由のひとつです。

私たちの研究チームは長年、結核菌に対する免疫応答とマクロファージ活性化の分子機構を研究してきました。その研究結果から、結核菌の病原因子の働きを抑制しマクロファージ機能を強めることによって、有効な抗結核防御免疫を誘導できると考えるようになりました。

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結核菌が産生する「免疫を抑える物質」の作用メカニズムに迫る

結核菌が分泌する病原因子となるタンパク質には複数ありますが、私たちは特に、結核菌の排除に重要な役割を果たしているマクロファージの分泌タンパク質、インターロイキン―1ベータ(IL-1β)の産生を抑制する結核菌の病原因子に注目しています。

私たちの未発表の研究により、この病原因子(ここではZ因子とします)が複数のマクロファージ由来タンパク質を標的として、IL-1βの産生に必要な細胞内情報伝達を抑制することがわかってきました。また、Z因子を欠損する菌に感染したマクロファージでは、IL-1βの産生が増加することも確認しています。

現在、このZ因子の作用機序の詳細を分子レベルで追究しているところですが、それに加えて、Z因子の機能を細胞内で抑制する方法の開発を目指しています。今回の研究では、このZ因子を抑制する方法を開発するために、細胞内に入り込みZ因子に結合してその作用をブロックする特殊なタンパク質を作り、それが結核菌に対する免疫応答を増強することを実証しようと計画しています。

Z因子の働きをうまくブロックすることができればマクロファージの活性化のみならず、結核菌を認識するT細胞の誘導と活性化も強まり、全体として免疫による結核菌の排除が増強するのではないかとも考えています。この方法が成功すれば、これまでとまったく異なる結核に対する免疫療法の可能性が開かれていくと信じています。

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なぜ、結核の新しい治療法が必要なのか?

結核の治療として、現在では3種の抗結核薬を用いる6か月間の化学療法が標準的に行われています。これは通常の結核菌にはとても有効です。しかし、医療環境によっては化学療法を6か月継続することが困難な場合もあり、それによって多剤耐性結核菌が生じてしまいます。

実際に、化学療法の柱となる2つの抗結核薬に耐性を獲得した多剤耐性結核菌が世界の一部地域で増加していることが問題となっています。さらに、超多剤耐性結核菌と呼ばれる、より多くの抗結核薬に耐性を示す結核菌の出現も報告されており、今後、抗菌薬による治療ができない結核患者さんが出てくるものと危惧されています。日本では多剤耐性結核菌または超多剤耐性結核菌による結核の頻度は低いのですが、グローバル化に伴い、これらの耐性菌の侵入が増加する可能性は否定できない状態です。

化学療法以外の結核に対処する方法として、免疫を活用する方法があります。BCGワクチンは日本でも広く接種されていますが、これは結核菌に近縁なウシ型結核菌の病原性が低くなった株を接種するもので、BCGと結核菌で共通する分子に対して免疫応答が成立します。BCGワクチンは、結核菌を認識するT細胞と呼ばれるリンパ球を誘導し、それが結核菌感染マクロファージの殺菌活性を増強することにより、結核菌の排除に働きます。

BCGワクチンは、小児の結核の予防には非常に有効性が高いことが知られていますが、BCGワクチンの成人肺結核に対する効果は、疫学調査を行った国により大きな違いがあり、必ずしも有効であるとは言えない状況です。また、BCGワクチンの結核予防効果は知られていますが、すでに肺結核を発症した患者さんに対する治療効果は期待できません。私たちが目指すのは、肺結核の患者さんにも有効な新しい免疫療法の確立です。

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研究費サポートのお願い

免疫療法は、さまざまな疾患ですでに実用化されています。いわゆる「抗体医薬」は、さまざまな分子に結合することができる抗体の作用を応用し、がん細胞や、組織損傷に働いてしまう自己の分子に結合する抗体を作製し、それを投与することで治療する方法です。これは体の中の免疫を活用しているわけではないため、投与後の持続性はありません。これに対して、「ワクチン接種」は病原体やがん細胞の分子を接種してそれに対する免疫応答を誘導するもので、感染症では予防的に、がんに対しては治療的に使われています。しかし、結核菌に対しては、菌が細胞内に閉じこもるため抗体は効果がなく、またBCGワクチンはすでに感染した肺結核の患者さんには効果がありません。

私たちが今回提案する、結核菌の病原因子の作用のブロックによる免疫応答増強は、結核菌と免疫の相互作用の情報に基づくまったく新しい考え方で、その新規性と有効性をきちんと証明できれば、結核治療の進歩に大きく貢献できると考えています。今回のクラウドファンディングで集まった資金は、結核菌の病原因子の作用をブロックするタンパク質の作製に必要な酵素類や合成DNA、遺伝子組換えタンパクを産生する大腸菌の培養用試薬類、試験管といった消耗品の購入に使わせていただきます。この研究の過程を社会の皆様と共有することができれば、これに勝る喜びはございません。ぜひ皆様のご協力をいただきたいと考えていますので、どうかご支援をよろしくお願いいたします。

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ご寄附いただいた皆様へ、確定申告により税制上の優遇措置が適用される領収書を琉球大学より発行致します。

なお、領収書の日付は、お申込み受付日やカード決済口座からの振替日ではなく、アカデミスト株式会社より琉球大学に入金された日付となります。予めご了承ください。
(本年12月16日以降に入金となった際には、寄附の領収書は、 翌年の日付で発行される場合があります。この場合、寄附金控除も翌年の対象となりますので、予めご了承ください。)

【法人・団体様からのご寄附】
・全額損金算入が可能です。(法人税法第37条第3項第2号)

【個人様からのご寄附】
・所得税…寄附金額(総所得金額の40%を上限とする)から2,000円を差し引いた額を、当該年の課税所得から控除することができます。
・個人住民税…琉球大学を寄付金控除の対象法人として条例で指定している都道府県・市区町村にお住いの方は、個人住民税の控除を受けることができます。
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挑戦者の自己紹介

松﨑吾朗
1961年大分県別府市生まれ。別府鶴見丘高校在学時に微生物学に目覚める。新潟大学医学部医学科在学中の講義で結核菌の病原菌としての完成度の高さに感銘を受けて結核に対する免疫応答の研究を志し、九州大学大学院医学系研究科の野本亀久雄教授のもとで研究を開始。大学院卒業後も一貫して感染に対する免疫応答を研究し、九州大学生体防御医学研究所、ロンドン・ハマースミス病院・MRC結核及び関連感染ユニットを経て、2001年に琉球大学に赴任、現在に至る。クラシック音楽(特に古楽と近代を好む)と美術が好きな愛猫家です。

高江洲義一
1973年沖縄県沖縄市生まれ。私立興南高校在学中に受けた生物の授業を通じて遺伝子の働きに興味を持ち、名古屋大学理学部分子生物学科へ進学。同大学院の松本邦弘教授のもと、出芽酵母やヒト培養細胞を用いて、細胞が内外の環境変化に応答する仕組み(細胞内情報伝達機構)の研究に従事。学位取得後は、米国および国内の大学で細胞分化や免疫応答に関わる細胞内情報伝達の分子メカニズムの研究を続ける。中学〜大学ではバスケットボール部で汗を流していましたが、最近の運動は月に1〜2回の散歩程度です…。

私たちが所属する熱帯生物圏研究センターは、琉球大学の特徴である熱帯の多様な生命現象を対象とする研究施設で、感染症も大切な熱帯生命現象の一つという立場で研究を進めています。松﨑(病原細菌学・免疫学)と高江洲(分子生物学)のそれぞれの強みを生かして、マクロファージと結核菌が繰り広げる「細胞内バトル」を分子レベルで解き明かし、これまでにない画期的な結核治療法の開発に繋げるため、日夜研究に取り組んでいます。ご支援よろしくおねがいいたします。

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松﨑吾朗、高江洲義一

研究計画

時期 計画
2019年9月 クラウドファンディング挑戦
2019年12月 クラウドファンディングの研究資金による研究を開始。(結核菌病原因子に結合する遺伝子組換えタンパクのスクリーニング、細胞膜通過性組換えタンパクの作製、大量産生系の確立)
2020年6月 ブロッキング分子の作用の検証(結核菌感染マクロファージ内でのブロッキングタンパク結合の確認、免疫応答増強効果の検証)
2021年3月 研究成果の日本細菌学会総会における発表
2021年8月 研究成果の英文原著論文としての発表

リターンの説明

1,000 円
注目のリターン: 研究報告レポート(PDF版)、寄付金受領証
研究報告レポート(PDF版) / 寄付金受領証
144 1000

研究の詳細な進捗などをレポートにまとめてお送りします。応援よろしくお願いいたします!

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2人のサポーターが支援しています (数量制限なし)

3,000 円
注目のリターン: 蛍光免疫染色した結核菌感染細胞の顕微鏡写真5枚(JPEG形式)
蛍光免疫染色した結核菌感染細胞の顕微鏡写真5枚(JPEG形式) / 研究報告レポート(PDF版) / 寄付金受領証
144 3000

蛍光免疫染色した結核菌感染マクロファージの顕微鏡写真5枚をJPEG形式で電子メールに添付してお送りします。共焦点レーザー走査型顕微鏡と呼ばれる、非常にシャープな画像を得られる顕微鏡での撮影ですので、数マイクロメーターしかない小さな結核菌がきれいに見えます。黒い背景に緑で染まったマクロファージと青い細胞核、赤い結核菌、が配置された画像からは、神秘的な美しさも感じていただけると思います。

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14人のサポーターが支援しています (数量制限なし)

5,000 円
注目のリターン: 研究室Webページにお名前掲載
研究室Webページにお名前掲載 / 蛍光免疫染色した結核菌感染細胞の顕微鏡写真5枚(JPEG形式) / 研究報告レポート(PDF版) / 寄付金受領証
144 5000

ご同意がいただける方には、挑戦者の所属する琉球大学熱帯生物圏研究センター分子感染防御学分野のWebページのトップページにお名前を掲載させていただきます。

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11人のサポーターが支援しています (数量制限なし)

10,000 円
注目のリターン: サイエンスカフェ(2020年8月上旬頃を予定)
サイエンスカフェ(2020年8月上旬頃を予定) / 研究室Webページにお名前掲載 / 蛍光免疫染色した結核菌感染細胞の顕微鏡写真5枚(JPEG形式) / 研究報告レポート(PDF版) / 寄付金受領証
10000

琉球大学熱帯生物圏研究センター(沖縄県中頭郡西原町千原1)で開催するサイエンスカフェにご招待します。また、東京でのサイエンスカフェ開催のご要望があれば、東京工業大学田町キャンパス内の琉球大学東京オフィスでの開催も検討いたします。サイエンスカフェでは、結核や免疫の基本的な解説と今回の研究プロジェクトの進捗状況の報告に加えて、研究の苦労話など、普段は聞く機会のないようなお話をしつつ、皆様との対話を通じて、大学での研究活動がどのように行われているか知っていただきたいと思います。※開催場所までの交通費は各自ご負担をお願いいたします。

支援する

4人のサポーターが支援しています (数量制限なし)

20,000 円
注目のリターン: 学会発表資料の謝辞にお名前掲載
学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / サイエンスカフェ(2020年8月上旬頃を予定) / 研究室Webページにお名前掲載 / 蛍光免疫染色した結核菌感染細胞の顕微鏡写真5枚(JPEG形式) / 研究報告レポート(PDF版) / 寄付金受領証
144 20000

ご同意がいただける方には、2021年3月に開催予定の日本細菌学会総会における本研究に関する発表の際に、謝辞にお名前を掲載させていただきます。また、謝辞を掲載した発表資料のPDFをお送りします。応援よろしくお願いいたします! ※2021年3月の学会発表が叶わなかった場合、その後の学会発表資料の謝辞にお名前を掲載いたします。

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1人のサポーターが支援しています (数量制限なし)

30,000 円
注目のリターン: 英文原著論文の謝辞にお名前を掲載
英文原著論文の謝辞にお名前を掲載 / 学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / サイエンスカフェ(2020年8月上旬頃を予定) / 研究室Webページにお名前掲載 / 蛍光免疫染色した結核菌感染細胞の顕微鏡写真5枚(JPEG形式) / 研究報告レポート(PDF版) / 寄付金受領証
144 30000

ご同意いただける方は、本研究成果を英文の原著論文として発表する際の謝辞にお名前を掲載させていただきます。※論文発表の時期につきましては、研究計画通りにいかない可能性もございます。予めご承知いただけますと幸いです。

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7人のサポーターが支援しています (数量制限なし)

100,000 円
注目のリターン: 出張講演会の開催
出張講演会の開催 / 英文原著論文の謝辞にお名前を掲載 / 学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / サイエンスカフェ(2020年8月上旬頃を予定) / 研究室Webページにお名前掲載 / 蛍光免疫染色した結核菌感染細胞の顕微鏡写真5枚(JPEG形式) / 研究報告レポート(PDF版) / 寄付金受領証
144 100000

講演会に出張いたします。結核、あるいは免疫学について、ご要望にお応えする形で講演させていただきます! ※旅費・宿泊費等は別途頂戴いたしますのでどうかご了承ください。

支援する

0人のサポーターが支援しています (数量制限なし)

このプロジェクトは、 2019年09月02日 10時00分 から 2019年10月30日 19時00分 までの間に目標金額750,000円を達成した場合のみ、決済が確定します。
お支払について
お支払にはクレジットカード(VISA, Mastercard)をご利用頂けます。
Available cards
銀行振込について

銀行振込をご希望の方は下記のフォームよりご連絡ください。 フォームへ

セキュリティについて

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1,000 円

研究報告レポート(PDF版) / 寄付金受領証

144 1000

2 人 が支援しています。
(数量制限なし)

支援する
3,000 円

蛍光免疫染色した結核菌感染細胞の顕微鏡写真5枚(JPEG形式) / 研究報告レポート(PDF版) / 寄付金受領証

144 3000

14 人 が支援しています。
(数量制限なし)

支援する
5,000 円

研究室Webページにお名前掲載 / 蛍光免疫染色した結核菌感染細胞の顕微鏡写真5枚(JPEG形式) / 研究報告レポート(PDF版) / 寄付金受領証

144 5000

11 人 が支援しています。
(数量制限なし)

支援する
10,000 円

サイエンスカフェ(2020年8月上旬頃を予定) / 研究室Webページにお名前掲載 / 蛍光免疫染色した結核菌感染細胞の顕微鏡写真5枚(JPEG形式) / 研究報告レポート(PDF版) / 寄付金受領証

10000

4 人 が支援しています。
(数量制限なし)

支援する
20,000 円

学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / サイエンスカフェ(2020年8月上旬頃を予定) / 研究室Webページにお名前掲載 / 蛍光免疫染色した結核菌感染細胞の顕微鏡写真5枚(JPEG形式) / 研究報告レポート(PDF版) / 寄付金受領証

144 20000

1 人 が支援しています。
(数量制限なし)

支援する
30,000 円

英文原著論文の謝辞にお名前を掲載 / 学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / サイエンスカフェ(2020年8月上旬頃を予定) / 研究室Webページにお名前掲載 / 蛍光免疫染色した結核菌感染細胞の顕微鏡写真5枚(JPEG形式) / 研究報告レポート(PDF版) / 寄付金受領証

144 30000

7 人 が支援しています。
(数量制限なし)

支援する
100,000 円

出張講演会の開催 / 英文原著論文の謝辞にお名前を掲載 / 学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / サイエンスカフェ(2020年8月上旬頃を予定) / 研究室Webページにお名前掲載 / 蛍光免疫染色した結核菌感染細胞の顕微鏡写真5枚(JPEG形式) / 研究報告レポート(PDF版) / 寄付金受領証

144 100000

0 人 が支援しています。
(数量制限なし)

支援する

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